今回のテーマはTLCについてです。
おそらく、多くの研究室で反応の追跡に用いられていると思われるTLC(薄層クロマトグラフィー)です。私は、糖がくっついている化合物が研究の主体ですので、キャピラリーを使って反応液をサンプリングして、これをTLCにチョンチョンと吸い込ませ、任意の有機溶媒で展開すると、アラ不思議、反応が進行しているか?分解してしまったか?などが分かってしまう優れものです。
使い方の手順は以下のようにします。
1 普通は20cm×20cmの板で売られていますので、私はこれを5cm×20cmにガラス切で切ります(ア ルミバックのものは刃物で切ってください)。
2 私は、この時点で、ガラス板の下から1cm、上から4cmのあたりに定規でエンピツを使って線を引きます。
3 続いて、幅3cmくらいに切ります。これで、幅3cm、高さ5cmのガラスTCLの小さな板になります。
4 エンピツで引いた線の上に、4点、しるしを付けます(原料、反応液+原料、反応液、評品(あれば)の順番でサンプルをのせていきます)。
5 原料を溶かした溶液を、ガラス管をバーナーで細く伸ばしたキャピラリーを使って採取し、一番左の印の上と左から2番目に、スポットします。次いで、反応液を同じくキャピラリーで採取し、左から2番目と3番目の印の上にスポットします。最後に、同様に評品を溶かした溶液を一番右にスポットします。
6 完成したTCLを5mmくらいの深さに展開溶媒を入れた小瓶の中に静かに入れて、フタを閉じます。
7 吸い上げられた展開溶媒が、上から1cmくらいまで上がってきたらTCLを小瓶から取り出し、溶媒が上がった場所が分かるようにエンピツで線を引きます。
8 この時点で、上から1cm、下から1cmに線が引かれた小さなガラス板の完成です。
9 もし、予想される化合物がUVを吸収するものなら、おそらく研究室にあると思われるUVランプを照射すると化合物がある部分にスポットが浮かび上がります(エンピツでマークしておいて下さい)。
10 対象の化合物が、糖誘導体なら、10%くらいの硫酸/メタノール/水の混合溶液を噴霧もしくは、溶液にディップして、余分な硫酸溶液を拭いたあと、ホットプレートで焼きます。
11 TLCの上に、原料と反応液、評品が茶色く焦げて見えるようになります(原理はあぶり出しです)。
12 反応液をスポットした場所に、原料には無い新しいスポットが出来ていれば、何かの反応が進行しているのかもしれませんネ。上がった高さが評品と同じなら、オメデトウ?反応は上手くいっているようです。
実際にやってみると、それほど大した作業では無いのですが、文章にすると長いこと長いこと・・・。
おまけに、ちっとも面白くない、ブログになってしまいました。まぁ、参考までにお試しあれ。